千葉市 スポーツ庁
若手強化「鈴木プラン」着実に成果
スポーツ庁の鈴木大地長官(50)が、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。2020年東京五輪・パラリンピックへ向け「鈴木プラン」で支援方針を打ち出して約1年。「有望アスリート海外強化支援事業」の成果などもあり、17年は多くの競技で歴史的快挙が生まれた。ここまでの取り組み、そして20年へ向けてのさらなるサポート強化―。日本スポーツ躍進に取り組む鈴木長官の思いを2回にわたって掲載する。(高木 恵、林 直史)
―2017年は「史上初」や「最年少」など記録的なものが多かった。
鈴木「昨年リオ五輪がありました。4年周期で考えると、今年は変化のしやすい1年。基準にはなりますけど、本当の実力だとは思ってはいけない。各競技の世界選手権で日本人が活躍したことをベースにしながら、どんどん積み上げていくことが大切です」
―有望アスリート海外強化支援事業の成果が出ている。
「簡単に言うと、各競技団体に『10年に一度の選手』をピックアップしてくださいと。さすがに10年に一度の素材に集中投資すると結果は出る。卓球の張本くんとか、平野さんとか、柔道阿部一二三さんとか、陸上のサニブラウンさんもね。これは結果を出していただきたい事業です」
―どういった支援?
「まずは財政面での支援が不可欠になります。平野さんとは話しましたが、支援した資金で中国に渡り、中国チームと一緒にプレーをして、世界の一流に触れることができたと。日本人の通訳とか家庭教師もつけて派遣して。学生として学業の習得もしながらなので、特別なことをしているんだけど、特別なことをしていないような。いい感じのスペシャルな強化ができています」
―サポート選手を増やしたいところでしょうが、予算には上限がある。
「民間のプライベートセクターが支援をして『特別支援プロジェクト』のような冠をつけてやってもいいかなと思うんです」
―今そういう話は?
「私がしています。そうなったらいいです。あまり特別扱いも…。このプロジェクトは国の予算を使うことになるので、できれば民間の力をお借りしてやるのがいいとは思いますね」
―手をあげるところがありそうだが。
「ぜひ報知新聞を読んだ民間の人が(スポーツ庁に)教えてくれるとうれしいですね。いずれそういう時代になれば」
―メダルを獲得する競技団体数を増やしたいと。
「ロンドンは13競技で38個。リオは10競技41個。メダルは増えたが、競技数は減った。上位国を分析するとメダルを獲得する競技数が多い。まずはウィングを広げるといいますか。日本では『御四家(柔道、レスリング、体操、水泳)』というのがある。それが5つ6つ7つ8つと増えていくことが大事」
―期待できる競技は?
「リオで史上初のメダルを取ったバドミントンとか。卓球とか、アーチェリーとかフェンシングとか。空手も非常に有効だと思います。あとは若い人たちの競技といわれているスポーツクライミングですか。地の利を生かして日本が活躍してほしいと思います」
―1964年東京大会のように。
「女子バレーボールが快進撃して、日本人が一つになった。一番それが大きく大会の成功に寄与したわけなんです。今回もボールゲームの団体競技の活躍も支援しなくてはならないと思います」
―21年以降もスポーツが日本に根付くことが大事?
「そういうことです。64年の時代の資料を水泳連盟の書庫で調べましたが、五輪が終わると強化費が減額された。今回もそうなる可能性があるということ。今のうちに効果的な強化方法を確立する必要があります。強化費は無尽蔵にあるわけではないですから」
64年超え期待 ―鈴木プランが具体化してる。残りの期間、競技力強化をどう進めていきたい。
「やはり自国開催のオリンピック、パラリンピックが成功するためには自国選手の活躍が不可欠。選手たちが生涯最高のパフォーマンスを発揮できるように環境を整え、最大限の支援をする。できれば前回の東京五輪を超えるような成績を収めていきたい」
―新種目はメダルを期待できる種目がそろった。
「日本発祥の競技もあります。どこの国が五輪で強豪になるかはまだわからない。地元開催の力を発揮して風を作って、我が国の選手たちが表彰台に立ってもらうと。一番最初の五輪で名乗りを上げて強豪国になることが大事」
―女性アスリートの支援にも力を入れている。
「女性の支援は非常に力を入れている。日本選手団の約半数、メダル獲得数の約半数が女性。単に競技力向上だけが狙いではなく、女性の社会での活躍も合わせて期待しています。女性ならではの視点でのコーチングや競技団体の運営ですとか。女性目線は今後もっと必要とされていきます」
◆女子支援も積極
「鈴木プラン」では、女性アスリートへの支援強化も大きなテーマだ。夏季五輪の日本の男女別メダル獲得率で過去6大会中5大会で女性が男性を上回っており、メダル数増に女性の活躍は欠かせないと分析。高いレベルの競技大会の開催や女性コーチの育成、また妊娠・出産など女性特有の課題への対応の必要性を説いている。
一つが関連施設への託児所の設置。ナショナルトレーニングセンターには既に設置済みで、フェンシングやバレーボールの選手が活用している。鈴木長官は「男性にないライフイベントを経ながらも、競技生活を続けられる環境を整えていきたい」と語る。
最近ではロンドン五輪柔道女子57キロ級金メダルの松本薫(30)=ベネシード=が出産を経て練習を再開。リオ五輪卓球女子団体銅メダルの福原愛(29)=ANA=も競技復帰の意向を持っている。東京五輪はママさんアスリートの活躍も期待される。
◆鈴木プラン 16年10月に発表された競技力強化のための支援方針。ハイパフォーマンスセンターの機能、アスリート発掘、女性アスリートへの支援、人材育成の強化やパラリンピック競技との支援内容に差を設けない(オリパラ一体化)などが盛り込まれた。20年東京五輪に向けては、17~18年度は全競技の強化を図る「活躍基盤確立期」、19~20年度がより多くのメダル獲得を目指し支援を重点化する「ラストスパート期」と策定している。
◆有望アスリート海外強化支援事業 スポーツ庁による競技力向上事業の一環で、日本スポーツ振興センターが実施。20年東京五輪で活躍が期待され、24年パリ五輪で金メダルが狙える有望な若手を強化することを目的とし、海外リーグや合宿への参加をコーチやスタッフの派遣も含めて支援する。対象選手は初年度の16年は卓球の平野美宇、張本智和、柔道の阿部一二三、陸上男子短距離のサニブラウン・ハキームら8選手。17年に卓球の伊藤美誠ら3選手を追加し、6競技団体11人となっている。
本日、千葉市稲毛区稲毛東自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて
千葉市美浜区豊砂東京ベイ先端クリニックに
通院治療をされ戻りました。